【7月23日(金)3日目】
今回の旅のメイン、
サグラダ・ファミリア。
建て始めてから120年以上経った今も、建築現場の様相です。
「観光シーズンの今は強烈に混んでるけど、朝9:00~9:30に行けばそれほど並ばずにすみますよ」
という昨日の日本人ガイドさんの教えに従い、開門時間9:00よりも前にサグラダ・ファミリアに着きました。
それでも、私たちの前には20名くらいの行列が。
昨日の午後は1時間半~2時間待ちでしたから、随分マシです。
チケットを買って中に入ると、大抵の人は入口すぐそばにあるエレベーターに並びだすようですが、
私たちは迷わず建物を突っ切って奥の「生誕のファサード」側のエレベーターに直行しました。
これまたガイドさんからのコネタ。
「奥にもエレベーターがあって、そちらの方がすいていることが多く、なおかつガウディが建築した時代の古い塔を上ることが出来る」
・・・とのことでした。
案の定、こちらのエレベーターは誰も並んでいませんでした。
4~5人も入れば満員になりそうな狭いエレベーターで、スルスルスル・・・と上まで行き、
さらに階段を上ると、
塔と塔を繋ぐ橋の部分に出られます。
下を見下ろすと・・・
おぉぉぉぉぉぉ、怖っ!
しかし目を遠くに移せば、絶景が広がります。
建築中の塔の上には、クランベリーのようなカワイイ飾りが。
こちらは麦の穂のようです。
私たちの後からやってきたのは数組の日本人だけ
朝一番だったので好きなだけ眺めを楽しむことができました。
下りは吸い込まれそうな螺旋階段をひたすら下りていきます。
カタツムリのような、水の渦のような・・・美しい。
建物の内部は今までどんな教会でも見たことがないような天井の高さです。
柱は木をイメージしていて、枝が分かれていく様子や穴までも象徴的に描かれています。
中央の作業現場ではこのときも着々と作業が行われていて、日本人で初めて主任彫刻家となった外尾悦郎さんらしき姿も見えました。
外尾さんは生誕のファザードの中央にある女性たちの像を手がけたそうです。
ラテン語で書かれた聖書を読めない庶民のために、キリストの生誕にまつわる物語を彫刻で表しています。
むせ返るような、圧倒的な彫刻。
一方、チケット売り場のある側の「受難のファサード」は、シンプルにさえ見える直線的なフォルム。
まるで別の建物のようです。
地下には見ごたえのある博物館もありました。
この人がガウディ。
デザイン画などの貴重な資料が収められています。
建築当初からの写真を見ると、だんだんと出来上がっていく様子が分かります。
「受難のファサード」にある4×4マスの数字。
縦、横、斜めだけでなく、さまざまな組合せで合計が「33」になるように出来ています。
その組合せも博物館に展示されていました。
ガウディはここに寝泊りして現場の指揮に当たっていましたが、73歳のある日、外出した際に路面電車に轢かれて亡くなったのだそうです。
さぞかし無念だったことでしょう・・・
建築技術の発達により製法が変わったおかげで、工事のスピードが格段に早くなったそうです。
ガウディ没後100周年の2026年の完成を目指しているそうですが、本当に間に合うのかな・・・?
建築資金が滞れば作業はときどき中断されることもあるとも聞きました。
地下聖堂は現在閉鎖中のため、残念ながら見ることができませんでした。
もしも私が生きている間に完成することがあれば、そのときは是非またこの地を訪れたい。
そう思わせる不思議な魅力を持った教会でした。
***
この日は他にもガウディの作品を見に行きました。
一見「普通」な
カサ・カルベット。
1階がレストランになっていて、そこで食事をすると中まで見ることができるそうですが、私たちは覗くだけにしました
もう一つは、電車で少し郊外に行ったところにある
グエル別邸。
現在はカタルーニャ工学大学建築学部が置かれています。
ここの馬小屋、門番小屋、門を手がけたのが、後にガウディのパトロンとなるグエルの初めての仕事の依頼でした。
このときは中には入れませんでしたが、龍の門の迫力はすごい。
噛みつかれそうです。
***
芸術はむろん、建築についてもまったくの門外漢の私。
建物を見て「美しい」と思ったのはこれが初めてでした。
そう感じたのは、恐らくガウディが「自然」を随所に取り入れているからでしょう。
海の中だったり、植物だったり。
バルセロナ郊外の村で、草木と戯れながら育ったガウディが達した
「自然の中に最高の形がある」という考え。
私も深く共感します